現場レポート

道路幅が狭いと物件建築できない? 「セットバック」 で道幅を広げた賃貸アパート

2020.1.17 北田 かつゆき

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敷地に面した道路によって建物が建てられない?

道路と言っても色々の種類があります。
敷地に面している道路の種類によっては、その敷地に建物が建てられない場合があるのをご存知でしょうか。

建築基準法に定める「道路幅が4m以上の道路」に「建物を建てる敷地が2m以上接してないと」原則、家が建てられないという決まりがあります。
昔からの街並みなどには、道路幅が4mに満たない道路が数多く存在します。

幅4メートル未満の道路には「セットバック」が必要

では4m未満の道路はどうなるのでしょうか。
実は4m未満でも行政から指定を受けた場合には「道路」とみなす規定があります。

そのような道路は建築基準法第42条2項で規定されています。
そのため、一般には「2項道路」と呼ばれています。

道路幅4m未満の「2項道路」に接している敷地の場合は

「道路の中心線から2メートルの位置まで敷地を後退しなさい」

という決まりになっています。

例えば3.6mの道路であれば、両側の敷地はお互いに20cmずつ下がった位置に建物を建ててください…と言うものです。
これをセットバックと言います。

土地を道路にする「セットバック」はなぜ必要か

道路の両側がそれぞれセットバックすることにより、4mの空間を設けて

防火などの安全性確保
消防車等の緊急車両が入れるよう

…などがセットバックをする理由です。

セットバックの結果、2項道路に接する土地は自分の土地でも一定の部分に建物を建築することができません。
セットバックをする範囲は道路として提供するという事になります。

「セットバック済み」「セットバック有り」の意味

もしも物件概要に「セットバック済」との記載があれば、建物を建てるためのセットバックが完了しているので特に問題はありません。

「セットバック要または有」などの記載がありましたら、セットバックがまだ行われていないということなので注意してください。
敷地のほかに何㎡あるのか(セットバックする範囲が何㎡含まれるのか)によって正味の面積が違ってきます。

セットバックしなければならない部分には建築物を建築できません。
容積率や建蔽率を算出する場合には、敷地面積から除外されますので建てられる建物の大きさも違ってきます。

「シエスタヴィラ東府中グレシアーレ」のセットバック例

弊社で建築した「シエスタヴィラ東府中グレシアーレ」という物件は、セットバックが必要な建物に該当していました。

土地を購入するにあたり当初不動産業者より紹介された土地面積は、約85㎡。
しかし道路幅が狭いため、結局約10㎡部分を府中市の道路として寄付しなければなりませんでした。

注:セットバック部分の道路寄付を受けない市区町村もございます。

その申請手続きは「役所に相談し許可をいただく」というもので、届出がされると登記簿上名義変更の所有権移転や寄付した道路部分の整備が行われます。

土地が削られるにも拘わらず、手続きなどが全て完了するまでかなりの時間を要しました…。
どの程度の期間を要するかと申しますと、役所への相談から含めますと最終道路整備まで約1年がかりです。

セットバックの道路舗装で環境良好に

実はシエスタヴィラ東府中グレシアーレのセットバック部分、道路整備はまだ終わっていません。

4月に道路をアスファルトできれいに舗装する工事があります。
建物に面した、未舗装の部分です。

他の物件でもこのような「セットバック必要」という土地は珍しくありません。
しかし最終的にはきれいに整備され道路も広がり、結果的には環境良好となる場合もあります。

セットバックというと建物を建てる敷地が狭くなってしまう、などのデメリットが浮かびやすいです。
しかしそういった土地でも工夫や考え方次第で、デメリットを感じさせずメリットを生かしたアパート建築・運用が可能です。

他にも様々な環境でアパート管理をしておりますので、ぜひ他の記事もご参考ください。

この記事を書いた人
北田 かつゆき
『念ずれば花開く』 どんな些細なことでも努力すれば自から道は開ける。 その出会いの瞬間を心にとどめ、どなたでもお気軽に話していただける性格だと自負しております。 そうしているうちに、業界あっという間に30年が経ってしまいました。 特に売買については信託銀行系列の経験に基づく 見落としのないサービスを提供します!

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