木造アパートの間取りづくりでできる防音対策。キーは界壁
賃貸住宅に住む人にとって隣の部屋の音が聞こえないことは重要です。
音の聞こえ方は、内見時には必ずと言ってもいいほどお客様に質問される時代になりました。
入居後にクレームになりにくく管理のしやすい部屋にするには、音を聞こえづらくする遮音のための努力が欠かせません。
本記事では、木造集合住宅を企画、建築、管理を行う私たちの遮音のための間取りの工夫を紹介します。
キーは界壁
鍵となるのは界壁です。
まず、ベッド、デスク位置を間取り段階で想定し、図面上で仮置きを行っています。
大事にしているのは、隣室同士で人が対面しないようにすることです。
どんなに壁を厚くしたとしても壁を隔てて隣室の入居者同士が対面になる位置で電話をしたりテレビ会議をイヤホンなしで行ったりするとどうしても音が隣室に届いてしまいます。
聞こえる側も同じで一定期間とどまる場所が隣室の音源(例:テレビ)に近ければ騒音トラブルの原因となる音源が聞こえやすくなります。
人と人との距離を物理的に離すことが一番のポイントです。
人と人との距離を物理的に離す
この図面は、SiestaCielo久米川BrickHausの1F部分です。
上の赤丸で囲んだ部分がリビングとして使われ、人が滞留する空間です。
この物件は、2Fに大型のロフトのある間取りです。
隣室と隣室の間に階段を配置し、人の滞在時間が長い場所同士が離れるように作っています。
図面を見ると、106号室はリビングが接しているではないか!と言われそうですが、この部屋は階段を置きたい壁際は消防法により避難経路(101号室の方向)として開けておく必要があるためやむを得ず対面となりました。
寝室と寝室の間にクローゼットを配置
赤い四角で囲んだ部分はクローゼットです。
クローゼットの開く方向にはベッドの頭をつけて置かないことが想定されます。
枕を置くであろう場所を離すことで耳の距離を離しています。
間取り制作担当は当社代表です
今回例にしたのは、2022年に建築をしたSiesta Villa久米川BrickHausとSiesta Duo西武柳沢 El Puebloです。
構造では、鉄筋コンクリートなど鉄でできた建物が一番遮音性が高く、それに比べると木造は遮音性能に劣ります。
しかし、木造と言えども界壁や間取りづくりの工夫で遮音のためにできることはあります。
シエスタシリーズを選んでくださった入居者様の居住環境のため、さらには満室稼働でオーナー様がよりよい生活を実現されるように間取りづくりにこだわっています。