土地の活用方法12選!土地活用のメリットや活用方法の選び方も解説
土地活用とは、所有する土地を効果的に利用して収益を得ることを指します。具体的には、土地を「売る」「貸す」「使う」の三つの方法がありますが、それぞれの方法にはメリットとデメリットがあるので、活用方法はじっくり検討する必要があります。
当記事では、具体的な土地の活用方法を12個解説します。それぞれの活用方法のメリットやデメリット、活用方法を検討する際に考えたいポイントについても解説するため、使っていない土地を持っている方はぜひ参考にしてください。
土地活用とは?
土地活用とは、所有している土地を活用して利益を得ることです。
土地は有用な資産であるものの、単に所有しているだけでは利益を生み出しません。土地活用の方法を考え、実践することにより、利益を得られる資産として土地を使えます。
土地活用の方法は、大きく分けて「売る・貸す・使う」の3種類があります。
「売る」は、文字通り土地を売って売却益を得る方法です。土地を売ればまとまった利益が一時的に得られる反面、継続的な利益は得られません。
「貸す」は、土地や建物を第三者に賃貸して、対価として賃貸収入を得る方法です。賃料収入によって継続的な利益を得られます。
「使う」は、土地を自分で活用する方法です。土地に自分が住む住宅を建てたり、事業用の事務所・建物を建てたりして、自分で使うことによる恩恵を土地活用の利益とします。
土地活用のメリット
土地活用は単に利益を得られるだけでなく、さまざまなメリットがあります。所有している土地を活かしきれていないと感じている方は、メリットを把握し、土地活用を検討してみましょう。
土地活用を行うことによる代表的なメリットを3つ紹介します。
税負担が軽くなる
土地活用をすることで、固定資産税や相続税の負担が軽くなります。土地活用をした場合にはさまざまな税制優遇措置があるためです。
固定資産税では、土地を住宅用の敷地として使用している場合に「住宅用地の特例」が適用され、下記の通りに計算します。
固定資産税=(200平方メートル以下の部分の課税標準額×1/6+200平方メートルを超える部分の課税標準額×1/3)×税率
出典:総務省「固定資産税」
住宅用地の特例が適用されない場合は、課税標準額は1/6や1/3にできず、固定資産税が高くなります。
また、貸家が建っている土地は貸家建付地となって、相続税評価額を減額することが可能です。
貸家建付地の価額=自用地の価額-自用地価額×借地権割合×借家権割合×賃貸割合
土地活用をしていない更地などの遊休地の場合、相続税の評価額は自用地の価額そのままとなって、相続税の負担が高くなります。土地活用をすることで、税の負担が軽くなる点は魅力です。
定期的な収入になる
土地活用の中でも「貸す」「使う」方法を選んだ場合は、定期的な収入を得られます。アパート経営・マンション経営などが定期的な収入を得られる方法の例です。
土地活用で定期的な収入を得られると、本業とは別の副収入を得られるようになったり、貯蓄や老後資金を作れたりします。土地活用自体には定年がないため、適切に管理すれば老後も安定した収入が得られる点もメリットです。
なお、土地活用で得られる収入から利益を計算するためには、土地・建物購入にかかった借入金の利息や税金を差し引く必要があります。定期的な収入が、実際に生活を支えられるほどの利益となるかはよく検討する必要があるでしょう。
地域貢献になる
土地に福祉施設を建てたり、地域に必要な商業施設を経営したりする場合は、地域貢献になるメリットがあります。地域貢献を考える場合は高齢者が多い地域は福祉施設、人口が多い地域では商業施設というように、地域の特徴に合う活用方法を考えるとよいでしょう。
また、土地を活用せずに空き地・空き家のまま放置すると、地域の治安に悪影響を及ぼす可能性があります。土地活用は土地・建物を適切に管理する行為でもあり、地域の治安向上にもつながります。
土地の活用方法12選
土地の活用方法を検討する際は、具体的にどのような使い方や利益の出し方を目指せばよいかを考えることが重要です。
以下では土地の活用方法を12種類挙げて、各方法の特徴と主なメリット・デメリット、注意点についても解説します。
アパート経営
アパート経営は、土地にアパートを建てて入居者を募集し、家賃収入で利益を得る方法です。
すでに土地を持っていると土地の購入費用が不要であるため、高利回りでアパート経営ができます。アパートは住宅に該当するので、固定資産税で住宅用地の特例が適用される点もメリットです。
一方で、元々所有している土地でアパート経営を行う場合、立地や広さなど、入居者募集にかかわるポイントを考慮して土地を選べない点はデメリットです。入居者が集まらないと家賃収入が得られないリスクがある点にも注意してください。
アパート経営に向いているのは、賃貸需要が安定して存在する地域の土地です。交通アクセスの良さや生活利便施設が近くにあるなど、入居者にとって魅力的な立地であればアパート経営は成功しやすいでしょう。
また、アパート経営ではさまざまな管理業務が発生します。管理業務を自分で行うか、管理会社に委託するかを事前に検討することも大切です。
マンション経営
マンション経営は、土地にマンションを建てて、入居者から得られる家賃収入を利益とする方法です。
なお、アパートとマンションに明確な線引きはないものの、一般的に木造や軽量鉄骨造などで3階建て以下のものをアパート、鉄筋コンクリート造など強固な構造で3階建て以上のものをマンションと呼ぶことが多いです。
土地を持っている場合のマンション経営は、アパート経営と同様に高利回りで賃貸経営ができ、固定資産税の軽減措置も利用できる点がメリットです。また、マンションはアパートよりも階数が高くなるため基本的に戸数も多く、同じ広さの土地でもより収益性を高められます。
デメリットは、建物の建築にかかる費用が高額になる点です。入居者が集まらない場合の空室リスクも高くなり、大きく損失が発生する可能性もあります。
土地のエリアによっては、建てられる建物の高さが制限されていることにも注意してください。マンション経営は、賃貸需要があり、なおかつ中高層の建物を建てられる土地に向いています。
戸建て賃貸
戸建て賃貸は、土地に戸建て住宅を建てて賃貸に出し、入居者から家賃収入を得る活用方法です。
新築の戸建て賃貸は供給量が少なく、家賃が高くても入居者を集めやすい傾向があります。戸建ての賃貸住宅はアパート・マンションより入居期間が長くなることも想定されるため、高い収益性と安定性のある経営を目指せるでしょう。
反面で、最初の入居者が退去した後は中古住宅となるため、新築時のような高い家賃では入居者を集めにくくなる点はデメリットです。
また、戸建て賃貸では1つの建物に対して入居者も1世帯となるため、空室が発生するとその期間の家賃収入が完全に途絶えます。また、物件の修繕費用が高額になりやすい点にも注意してください。
戸建て賃貸が向いているのは、周囲に住宅街がある土地や、アパート・マンションの建築には向かない狭い土地です。
賃貸併用住宅
賃貸併用住宅は、自宅部分と賃貸部分を併用して、賃貸部分を入居者に賃貸して家賃収入を得る土地活用方法です。
賃貸併用住宅は、1つの土地で賃貸経営をしつつ、自宅としても使えます。延床面積の50%以上が自宅部分であれば住宅ローンを利用できて、アパート・マンション経営などで利用する事業用ローンよりも金利を抑えられることも魅力です。
一方で、賃貸併用住宅は設計が複雑になりやすい点がデメリットです。自宅部分と賃貸部分を分ける必要があり、防音や水回りの施工に工夫が求められます。
賃貸併用住宅が向いているのは、一般的な住宅を建てるには広いものの、アパート・マンション経営をするほどではない広さの土地です。
また、住宅ローン利用のために自宅部分を50%にする場合は、建物を広くすると自宅部分も大きく取らなければならない点に注意してください。
駐車場
駐車場は、土地を駐車場として活用して、駐車場の利用者から駐車料を得る活用方法です。駐車場経営の形態には、1か月単位で契約を結ぶ「月極駐車場」と、利用時間に応じた料金を得る「コインパーキング」があります。
駐車場は初期費用があまりかからず収入を得られます。駐車場は土地に何らかの建物を建てるわけではないため、後々の駐車場以外の土地の転用も簡単にできるでしょう。
駐車場のデメリットは、アパート・マンション経営などと比較して収益性が低いことです。地域性による影響もあり、自動車の需要の低い地域では収益性が悪化します。また、駐車場経営では住宅用地の特例が適用されず、固定資産税が軽減されない点にも注意しましょう。
駐車場は、アパート・マンション経営などができるほどの広さがなく、自動車の利用が多い地域にある土地に向いています。
駐輪場
駐輪場は、自転車・バイクなどを駐輪できる駐輪場として土地を活用する方法です。利用者から得る駐輪場の利用料で収益を上げます。1か月単位で契約を結ぶ「月極駐輪場」と、利用時間に応じた料金を得る「時間貸し駐輪場」があります。
駐車場と同様に、駐輪場は初期費用があまりかからず、土地の転用もしやすい点がメリットです。自転車・バイクが対象であるため、自動車では出入りが難しいような土地や変形地でも駐輪場経営が可能です。
駐輪場も、駐車場経営と同様に固定資産税の軽減を受けられないため、注意が必要です。
また、駐輪場のニーズが高い駅周辺は一般的に公示地価が高く、固定資産税も高くなります。駐輪場経営で十分な利益が出せるかはしっかりと検討する必要があるでしょう。
駐輪場は、土地が駅からなるべく近くにあり、かつ自転車やバイクの利用が多いエリアに向いています。
テナント
テナントは、土地の建物を事業者向けに貸し出して賃料収入・地代収入を得る方法です。テナント経営の形態には、自分でオフィスビルや店舗用建物を建てて貸し出す方式と、土地のみを貸して建物は事業者に建ててもらう方式の2種類があります。
テナントは一般的に収益性が高く、安定した収入を目指しやすいことが魅力です。入居者が事業者であるため、入居者間のトラブルや家賃滞納も発生しにくいでしょう。
建物の内装や設備などが無い状態で貸し出す「スケルトン貸し」であれば、初期費用を抑えられるメリットもあります。
テナントのデメリットは、景気が悪いと事業者の入居が安定しにくくなって収入も不安定化しやすい点です。テナントは住宅用地の特例が受けられないため、固定資産税の軽減も受けられません。
また、一般的な地震保険はテナントでは加入できない点にも注意しましょう。事業者向け保険の特約で付帯できるケースはあるものの、保険料がかなり高額になる可能性があります。
テナントが向いているのは、オフィスビル・商業ビルが並ぶ繁華街や都市の中心部など、ビジネスをおこなう上で利便性の高いエリアです。
コインランドリー
コインランドリーは、土地の上にコインランドリー営業施設を建築・開業し、コインランドリー利用料の支払いで収入を得る方法です。
コインランドリーは利用者がセルフサービスで設備を利用するシステムであり、人件費がかからない点がメリットです。住宅地の近辺では洗濯設備のニーズが発生しやすく、固定客による安定的な収入を狙える利点もあります。
コインランドリーのデメリットは、建物の建設や設備導入に費用がかかる点です。洗濯機や乾燥機の他にも、両替機・監視カメラ・消防設備などを導入する必要があります。また、コインランドリーを開業する際は、管轄の保健所に開設届を提出しなければなりません。
コインランドリー経営は、集合住宅や社員寮といった洗濯設備のニーズが高い建物に近い土地が向いています。
トランクルーム
トランクルーム経営では、コンテナに似た建物を土地に建築し、トランクルーム内のスペースを貸して賃料を得ます。トランクルーム経営には、自分でトランクルームを購入・設置して管理を業者に委託する方式と、トランクルーム事業者に土地を一括借り上げしてもらう方式があります。
トランクルームはアパート・マンション・戸建てといった住宅に向いていない土地でも運用できて、収入を得られる点がメリットです。土地に固定する工事は必要であるものの、コンテナ設営のみで始められるため、初期費用も比較的抑えやすい傾向があります。
トランクルームのデメリットは、土地が貸家建付地と見なされず、相続税の負担軽減ができない点です。
また、トランクルームは倉庫業を営まない倉庫に該当し、用途地域による建築制限を受ける点にも注意してください。
トランクルームはオフィスビル・商業施設の近くや、空港・港の近くにある土地に向いています。
コンビニエンスストア
コンビニエンスストアは、所有している土地にコンビニエンスストアを建てて、コンビニ事業者に賃貸することで利益を得る方法です。
また、土地をコンビニ事業者に貸し出し、地代収入を得るという活用方法もあります。
コンビニエンスストアは初期費用を抑えつつ、高い収益性を期待できる点がメリットです。コンビニエンスストアの契約期間は一般的に10~30年程度と長く、長期的な収益も見込めるでしょう。
反面で、契約期間中は土地の転用ができないことはデメリットとなります。コンビニエンスストアは景気の影響を受けるため、経営状況によっては収益性が低下する点にも注意してください。
コンビニエンスストアは、交通量の多い道路に面した土地や、買い物需要が生まれやすい住宅地に隣接した土地に向いています。
保育園
保育園経営は、保育園事業者に土地を貸して地代収入を得たり、保育園の建物を建設した上で土地・建物を貸して家賃収入を得たりする方法です。
保育園は児童福祉施設の一種であり、国や自治体が整備している補助金制度の利用が期待できます。自治体によっては固定資産税・都市計画税の減免が適用されるケースもあるでしょう。
待機児童が多い地域では保育園の開園は地域貢献につながります。首都圏や地方都市では保育園のニーズが高く、長期的な安定収入が期待できる点もメリットです。
保育園のデメリットは、開園するために自治体の審査が必要であり、収益化までに時間がかかることです。保育園の開園後は騒音トラブルが発生する可能性があるため、近隣住民の理解も得る必要があります。
保育園が向いているのは住宅地に近く、建物・園庭を作れるだけの広さがある土地です。
福祉施設
老人福祉施設・障がい者支援施設・児童福祉施設などに使える建物を土地に建てて、福祉・介護事業者に土地と建物の一括借り上げをしてもらう方法も土地活用の1つです。
福祉施設は国や自治体からの補助を受けられる点がメリットです。運営される施設が老人ホームなどの高齢者施設であれば、高齢化社会による高いニーズがあるため長期的に安定した収入が期待できるでしょう。
また、福祉施設は場所を選ばないケースが多く、アパート・マンションには適さない立地条件の悪い土地でも開設できる魅力があります。
デメリットは、広い土地を使用しても、他の活用方法と比べて収益性が低くなりやすい点です。地域によっては福祉施設が供給過多になっていて、自治体が開設を制限しているケースもあります。
福祉施設に向いているのは、郊外などに立地していて十分な広さがあり、福祉施設が不足している地域に属している土地です。
土地をどのように活用するか選ぶには?
土地をどのように活用するかは、土地の立地や土地活用の目的、土地活用を行う人の属性などによっても異なります。
以下ではそれぞれのポイントについて、どのようなことに注意して選べばよいかを解説します。
土地の立地を考える
土地の立地によっては、向いている活用方法と向いていない活用方法があります。土地活用による利益を高めるためには、土地の立地を考えることが大切です。
例として、駅に近い土地はアパート経営・マンション経営やテナントなど、ほとんどの賃貸経営に向いています。一方、戸建て賃貸や高齢者向けの福祉施設の経営では閑静な立地が好まれるため、駅から遠い土地のほうが向いているでしょう。
また、都心や地方都市の中心部にある土地では、需要の高いアパート経営・マンション経営・テナント・駐車場・コンビニエンスストア・保育園がおすすめです。
反対に、郊外にある土地では戸建て賃貸・賃貸併用住宅やコインランドリー・トランクルームといった活用方法が向いています。
土地活用の目的を考える
土地活用の目的は税金対策や収益の確保、将来のための貯蓄など、人によってさまざまです。自分が土地活用によって何を行いたいかを考えることで、適切な活用方法を選べます。
例として、税金対策であれば固定資産税や相続税の軽減が行える活用方法を選びましょう。固定資産税の軽減はアパート経営・マンション経営・戸建て賃貸などで利用可能です。相続税の軽減を利用する場合は、自分が所有する土地・建物を第三者に賃貸する活用方法を選ぶ必要があります。
収益の確保をしたい場合はマンション経営や、テナント・コンビニエンスストアのように収益性が高い賃貸方法が適しています。
将来のための貯蓄ではアパート経営・マンション経営・戸建て賃貸や保育園・福祉施設など、安定したニーズがあり、長期的な収入を得られる方法を選ぶとよいでしょう。
土地活用を行う人の属性や資産を考える
土地活用を行う際、方法によっては初期投資が必要なものがあります。
中にはローンが必要となるケースもあります。土地活用を行う人の属性や資産の状況によっては取れる活用方法が異なるため、自分の属性・資産状況を考えて活用方法を選びましょう。
費用をあまりかけられない場合は、事業者に土地を貸す借地事業で地代収入を得る方法があります。他にも信託会社に土地を預けて配当金を得る「土地信託」や、事業者に建設協力金を支払ってもらう「リースバック」も、初期費用があまりかからない方法です。
1,000万円以上の費用や、住宅ローン・事業用ローンを利用できる場合は、アパート経営・マンション経営・戸建て賃貸・テナントなどの活用方法がおすすめです。
一方、1,000万円以上の費用がかけられない場合でも、駐車場・駐輪場・トランクルームなどの経営なら可能です。
土地活用の注意点
土地活用を行うことで土地から利益を得られるようになるものの、土地活用にはいくつかのリスクもあります。
土地活用を進めるときは、以下で紹介する5つの注意点に気を付けましょう。
土地活用のリスクを把握しておく
土地活用には下記に挙げる4つのリスクをはじめとして、さまざまなリスクがあります。
・空室リスク
空室リスクは、賃貸経営において入居者が集まらず、空室が発生するリスクです。空室部分は家賃収入が得られないため利益が減少します。空室リスクはアパート経営・マンション経営・戸建て賃貸・テナントなどの賃貸経営全般で発生する可能性があります。
・入居者トラブルリスク
入居者トラブルリスクは、賃貸に入居している入居者間や、入居者とオーナー間でトラブルが発生するリスクです。入居者トラブルが起こると解決の手間がかかり、物件のイメージもダウンします。入居者トラブルリスクは、賃貸経営全般の活用方法はもちろん、駐車場・駐輪場の利用者間でも起こり得ます。
・金利の上昇リスク
金利の上昇リスクは、土地活用のために変動金利でローンを組んだ場合に、金利上昇によってローン返済額が増加するリスクです。金利の上昇リスクは、建物部分の建築費用が高額になる賃貸経営全般や、コインランドリー・トランクルーム・コンビニエンスストアなどで発生します。
・マーケットリスク
マーケットリスクは、市場価格や需要の変化といった要因によって、想定よりも収益性が低下するリスクです。マーケットリスクは特に景気による影響を受けやすく、テナント・コンビニエンスストアといった活用方法で発生する可能性があります。
土地活用で安定した収入を得るためには、それぞれのリスクを把握し、できるだけリスクが少ない方法を選ぶことが大切です。
用途地域を確認する
土地の用途地域の制限によっては、希望通りの土地活用ができない可能性があります。
用途地域とは、都市計画法にもとづいて設定された、用途の決まっている地域のことです。用途地域は「住居系」「商業系」「工業系」の3つに大きく分類でき、さらに細かく下記の13種類の地域に分けられます。
住居系 | 第一種低層住居専用地域 |
---|---|
第二種低層住居専用地域 | |
第一種中高層住居専用地域 | |
第二種中高層住居専用地域 | |
第一種住居地域 | |
第二種住居地域 | |
田園住居地域 | |
準住居地域 | |
商業系 | 近隣商業地域 |
商業地域 | |
工業系 | 準工業地域 |
工業地域 | |
工業専用地域 |
用途地域の区分によって、建物の容積率・建ぺい率や高さの上限が定められています。土地活用のために建物を建てる場合は、建物の用途や仕様が用途地域の制限にかからないかを確認しなければなりません。
自分に合った経営方法を選ぶ
土地活用の方法によっては、経営方法をいくつかの種類から選べるケースがあります。
経営や管理をどの程度自分で行い、どの程度を管理会社などに任せるかで負担が異なるため、自分に合った経営方法を選びましょう。
経営・管理をすべて自分で行う場合は、管理会社や事業者との契約が不要であり、収入をそのまま自分の収益にできる点が魅力です。しかし、土地活用の経営・管理は多くの手間が発生し、規模が大きい土地活用では大きな負担がかかります。
負担を軽減したい場合は、管理会社への委託や事業者の一括借り上げによる運営といった方法があります。管理会社や事業者の取り分が発生するため利益は減るものの、負担を抑えて土地活用の利益を得ることが可能です。
情報収集をきちんと行う
土地活用では、土地の活用方法や市場調査、管理会社の選定などさまざまな情報を集める必要があります。情報の質・量によって土地活用が成功するか失敗するかが左右される場合もあるため、情報収集をきちんと行うことが大切です。
土地活用にかかわる情報収集は、書籍やインターネット上のWebサイト、不動産セミナーなどで行えます。なお、書籍やインターネット上のWebサイトで情報収集をする際は、発行日・更新日が最近であるかを確認しましょう。
正確かつ新しい情報を取得したい場合は、土地活用に詳しい不動産会社の専門家に尋ねる方法があります。土地活用の疑問や悩みがある場合も、専門家に相談すればアドバイスをもらえます。
信頼できるパートナーに相談する
土地活用を実際にどのように進めるかは、専門的な知識を持った不動産会社やファイナンシャルプランナー、税理士などに相談することがおすすめです。
不動産会社は地域の情報に詳しく、対象の土地にどのような活用方法が向いているかを教えてくれます。入居者探しや賃貸管理の相談にも対応してくれるでしょう。
ファイナンシャルプランナーはお金にかかわる相談ができる専門家です。土地活用が専門ではないものの、土地活用の際に必要な自己資金額やキャッシュフロー、ローン返済計画の立て方を教えてくれます。
税理士は税務の専門家です。土地活用において発生する税金や、固定資産税・相続税の節税効果などについて尋ねたいことがある場合に相談するとよいでしょう。
実績が豊富で、担当者が親身に対応してくれる相談先であれば、信頼できるパートナーとして土地活用の相談ができます。
まとめ
所有している土地をアパートやマンション、駐車場などで有効に活用することで、利益を生み出せます。直接的な収入だけでなく、固定資産税や相続税などの税負担の軽減や地域貢献などのメリットがある点も魅力です。
土地活用を行うときは、土地の立地条件や市場の需要、自身の資産状況などを総合的に考慮し、最適な活用方法を見つけましょう。また、土地活用にはリスクも伴うため、信頼できる専門家のアドバイスを受けながら進めることが成功の鍵です。
この記事の監修者
白坂 大介
保有資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士 | 宅地建物取引士 | 住宅ローンアドバイザー | 証券外務員1種
経歴
大阪市東淀川区 出身
上宮高等学校 卒業
京都産業大学 経営学部 卒業
- 2004年
- ハウスメーカーへ入社
- 2008年
- ファイナンシャルプランナー取得
- 2009年
- 総合保険代理店へ入社
- 2010年
- FP Office Shirasaka 開業
- 2013年
- ジョインコントラスト株式会社 設立