【土地活用】不動産を有効活用するためには何をすれば良いか。あなたに合った相談先、流れ、注意点やコツを解説します
土地や空き家など不動産がある場合、持っているだけでは固定資産税など税金の支出が伴いお金がかかります。
中にはポケットマネーから資金を捻出するしかなく売却を考える方もいらっしゃるでしょう。
しかし、土地などの不動産は有効活用することで税金を払う資金を生み出したりや収入にプラスすることができます。
土地活用を始める前に最初に困ることが“この土地をどうするのか、誰に相談すれば良いのか分からないという方は多くいらっしゃいます。
相続税納付のタイムリミットは10か月という短期間です。いざとなったときに、納税資金が足りないと慌てる例も。
土地活用を納得いく形で行うためには、ご自身の考え方に合った相談先を“最初に”見つけることが重要です。
土地活用の相談先はどこがある?選択肢は5通り
まず、相談する相手として候補にあがる先は主に以下の5つがあります。
・税理士
・金融機関
・不動産会社
・ハウスメーカー・工務店
・駐車場・駐輪場・コインランドリーなどの専門会社
しかし、ご自身の希望と相談先が取り扱っている分野が合致していない場合、手間や資金がかかるなど「こんなはずじゃなかった」といった思わぬ結果になってしまいます。
特に「こんなはずじゃなかった」となりやすいのは、“自分がどうしたいのか”を決めかねている場合です。
例えば、土地活用の方法を決めかねている状態で建設会社やハウスメーカーに相談に行くと、“建物を建てることを目的とした会社”なので、他にもその場所に適した活用方法の選択肢があったとしても、建物を建てる(リフォームする)ことの提案以外はされないでしょう。
ではどうしたら良いのか。それはご自身がしたいことや状況に合った相談先を選ぶことです。
状況別の相談先
【状況別の相談先】
・目的や活用方法が決まっていない方
⇒税理士、金融機関、総合不動産会社(不動産分譲、売買仲介、賃貸管理(アパート、駐輪場、駐車場、トランクルーム等)、建設業を部署ごとに行っている会社)
・売って土地を手放したい方
⇒不動産会社
・建物を建てたい方
⇒建設会社、ハウスメーカー
・駐車(輪)場にしたい方
⇒不動産会社
・コインランドリー、トランクルームにしたい方
⇒各専門の運営会社
相談先が取扱う事業の分野によって、提案される活用方法に限りがあることを理解しておくことが“押さえておくべきポイント”です。
引き継いだ土地がある、これから土地を受け継ぐ予定だけど、何から始めればわからない方は、税理士、金融機関、総合不動産会社(、、、)へ一度ご相談してみてはいかがでしょうか。
税理士、金融機関、総合不動産会社では、目的や手段が決まっていない場合でもご本人の希望や状況に合った方法のご提案や、その分野を専門的に取扱う相談先のご紹介をしていただくことができます。
【自分の希望する内容、土地活用、質問の例】
希望①すぐにまとまったお金が欲しい → 売却する → 不動産会社
希望②あまりお金をかけたくないが放置もしたくない → (更地の場合)駐輪場・駐車場として貸出(建物がある場合)リフォームして貸出 → 不動産会社、建設会社
希望③所有している土地の収益をある程度上げていきたい → 資金計画を建て、金融機関からの借入も視野に、リノベーション、新築をして貸出 →税理士、金融機関、不動産会社、建設会社
ご自身が希望した内容を叶えるためには、もちろん専門的な知識は必要となります。
ただ、可能性を考えるうえで、それぞれを複合的に捉えることも、とても大切となります。
「税のこと」、「お金のこと」、「売買のこと」、「賃貸のこと」、「建てること」
例えば
「税のこと」+「売買のこと」
⇒所有している土地を売却した後には必ず税金が絡んできます。ただ高く売却するだけであれば不動産会社に相談をすることが良いですが、その後の税金で損をしないために、どういった売り方(時期や方法等)がよいのかを税理士と打ち合わせしておくということが一番間違いのない方法です。
一方で、税金のことばかり気にしていていると売り時を逃してしまうこともあります。
ご相談前にその相談先は“何を得意としているのか”を考えることで、このようなことを未然に防ぐことが出来るかもしれません。
多角的な視点を持ったパートナーを見つけることで、あなたの悩みは解決に向かいます。
相談の流れ
今後の土地活用方法に悩まれている方は下記を参考にしてください。
①相談先を選ぶ
・税理士に相談する場合:ご自身や先代のつながり、勤務先でお世話になっている、資産運用の知見がある等の税理士に相談
・金融機関に相談する場合:ご自身の給与受取口座がある、先代が繋がりのある(口座を持っている)、居住地や所有している土地の近く等の金融機関に相談
・不動産会社に相談する場合:ご自身、先代が繋がりのある、資産運用や建設業を行っている、情報発信を積極的におこなっている会社に相談
②ご自身の情報(生活スタイル、ご家族構成、今後の人生設計等)を伝えて、どのような選択肢があるかを把握する
③アドバイスを受ける
売るか、建てるか、建てるなら戸建てか集合住宅か、駐車場にするか、駐輪場にするか、資材置き場として土地のまま生かすかなど土地や周辺環境、ご自身のご希望に合ったアドバイスを受けます。
コンサルティングで、どのようにしたいのか質問を通して希望を引き出してくれるような人へ相談すると良いです。
土地活用の正解は人それぞれの人生観によって180度変わります。
何をしたいのか目的が決まっていない人はご自身にも見えない希望を引き出してくれるような人物と出会いましょう。
④どのように活用するかを決める
④③で決めた活用法ができるところの紹介を受けます。
活用方法が決まれば、その方法が実行できる事業者をご自身で探すこともできます。
例えば、賃貸住宅を建てる場合はアパートを建築している会社へ、売る場合は売買仲介を行っている会社へ連絡することになるでしょう。
土地、アパート、駐車場、駐輪場の売買仲介、賃貸管理、建築の事業を自社で行っている不動産会社へ最初へ相談した場合、④を経ずにそのまま依頼をすることも可能です。
事前準備で必要なこと
事前に準備することは2つです。
①土地の住所を把握しておくこと
②どのような土地活用方法があるのか、相続後の基礎知識をさらっておくこと
相談前に建物を解体したり舗装したりといった土地に手を加えることはお勧めしません。
手を付けてしまうと、リフォームしてまだ使える建物なのに解体してしまって使えなくなるなどその後の選択肢が減ってしまう可能性があるのです。
土地活用や相続の基礎知識を学んでおくとより納得して土地活用を進めることができます。
注意点、コツ
土地活用の相談のみでも有料のところと無料で相談できるところがあります。
料金が気になる方はあらかじめチェックしておきましょう。
最終的に希望に合わせた事業者を選ぶ際には、担当者の人柄を重視することをお勧めします。
今後永く関わるため、「この人だったら任せられる」「この人と気があう」という人を見つけることは、大手かどうか、ブランドがあるかどうかよりも重要でしょう。
状況に応じた相談先を選びましょう
書籍や記事など様々な所で土地活用の方法は紹介されていますが、土地活用の正解はありません。
最終的にはご自身の意思でコントロールしていくことになります。
土地活用だけではありませんが予定通りに行くことばかりではありません。
出会いを大切にいいことが起きても悪いことが起きても前向きに前進していくことのできるパートナーを見つけてみてください。